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2)風力発電のコスト
風力発電のコストは1980年からの10年間で大きく減少してきており、
1980年では1kwhあたり、52セントであったものが、1988年
実績で6.4セント(PG&E実績)まで下がっています。California
Energy Commition
(CEC)の推計によれば、風力発電のコストは石炭火力、原
子力発電のコストに匹敵すると考えられています。CECの報告によれば、
このコスト低減は、風力タービンの改良によるところが大きく、1985年
以降のタービンは、それ以前のタービンと比較して46%も効率が向上してい
るとのことです。
3)風力発電設備の稼働率その他問題点等
風力発電設備の泣きどころは、その稼働率の低さであり、カリフォルニア
州の場合、最高で20%程度です。また、季節によって風速がかなり異なる
ことから、1年を通じて稼働率にかなりのばらつきがあります。以下にある
年の月毎の稼働率の例を示します。
月 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
稼働率(%) |
2 |
2 |
6 |
7 |
13 |
19 |
16 |
14 |
11 |
5 |
3 |
2 |
4)アルタモント地区の概要(挿絵参照)
アルタモント地区はサンフランシスコの西約120kmほど離れたところ
にあり、牧場になっている小高い丘陵地帯に約8000個の風力発電システ
ムが設置されています。(ヨセミテ国立公園に行く途中に高速道路から見る
ことができます。)この地区がウィンドファームとして選ばれた理由は、
まず第一に、夏に強風が期待出来ることです。5月から9月にかけてこの
地区には平均16〜20マイル/時の風が吹き、この次期に全体の70〜80
%の電力が供給されます。風は1日の間でもかなり変動し、発電可能になる
時間帯は、午後〜夜です。
この地区が選ばれたもう一つの理由は土地の利用のし易さであり、この地区が
牧場であることから、用地交渉がスムーズに運んだことです。地域の総面積は、
54平方マイル(138平方km)であり、一基当たりの必要面積は約4エーカー
(約16,000平方m)です。
5)ウィンドファームの運営
アルタモント地区には8000あまりの風力発電設備があるが、エリア毎
に所有者(owner)が異なっており、しかも一基に対して複数の所有者がいる
場合もあります。これらの設備を10社の運営会社が管理している。これらの会社
には管理専門の会社もあれば、所有権を持つ会社もある。これらの管理会社
は、電力会社(
PG&E)に対して電力を供給し、所有権の比率に応じて利
益を還元しています。
電力会社は、月毎に、他の電力単価(石炭火力、原子力等)と比較して電
力単価を決定している。(PURPA法による。)
日本にもこういう風力発電ビジネスが近い将来、現実のものとなるといいですね..
安川商事株式会社
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